Houstoryについて
「30代から考えるお金と住宅の学校|Houstory」をご覧いただき、ありがとうございます。このサイトは「建築とお金をデザインする」会社である、長沼アーキテクツ株式会社が運営しています。
Houstoryについて
Houstoryは、家を建てたいと検討されている方に向けて、お金や住宅に関する専門用語やノウハウ、お役立ち情報をお知らせするブログです。
会社員だけでなく、共働きやフリーランス、会社経営者など、さまざまな働き方を実践している方に向けて、お役立ち情報を紹介しています。
ファイナンシャルプランナーの目線から見た、住宅ローンの借り方や予算、税金など、家づくりにおけるお金についての情報を提供しています。
また一級建築士の目線から見た、土地の選び方や持ち家と賃貸住宅の比較など、専門性を活かしたノウハウを紹介しています。
一級建築士とファイナンシャルプランナーという「建築とお金」の両面から、家づくりに関する情報を提供していることが、このサイトの特徴です。
運営会社について
長沼アーキテクツ株式会社は、「建築とお金をデザインする」会社です。一級建築士とファイナンシャルプランナーが所属し、建築とお金の両面から家づくりのサポートを行っています。
わたしたち長沼アーキテクツは、家づくりに重要な「建築とお金」をお客様と一緒に作り上げていくことで、「豊かな暮らしをつくる会社」になりたいと思っています。
今までさまざまなご相談を受けてきました。その中で「建築とお金」のバランスが取れていない事例を見ることがあり、それらを未然に防ぐために、積極的に情報発信をすることとしました。
「建築とお金をデザインする」ことで、住む方にとって最適な「豊かな暮らし」の実現に、少しでも役に立つことができれば幸いです。
Houstoryでは家づくりに関する情報を定期的に提供しています。より具体的な事例について知りたい方は、個別の相談も行っていますので、「住まいとお金の相談」のページをご覧ください。
共働き夫婦がペアローンなどで繰上返済するときにメリットを受けられる具体的な方法をファイナンシャルプランナーが解説
減税期間が過ぎたり、生活に余裕が出てきたりと、住宅ローンの繰上返済を検討する夫婦は多くても、一番お得に返済できる方法が分からず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
単に繰上返済と言っても、住宅ローンの借り方や金利、保険の内容によって取るべき方針が変わってきます。
この記事では、住宅ローンをペアローンで借り入れしている共働き夫婦が、繰上返済でとるべき方法と考慮するべきポイントをまとめています。建築士でもあるファイナンシャルプランナーが、住宅のプロとして詳しく解説しています。
ペアローンについて詳しく知りたい方は、「ペアローンと収入合算の違いをファイナンシャルプランナーが共働き夫婦向けに解説」もあわせてお読みください。
※2019年5月31日追記(2018年5月4日公開)
- 繰上返済の2つのタイプとは
- ペアローンについてもう一度確認すること
- 共働き夫婦がペアローンで繰上返済する2つの方法
- ペアローンで繰上返済するときに考慮する3つのポイント
- ペアローンの繰上返済で損をしないためには
繰上返済の2つのタイプとは
共働き夫婦がペアローンで住宅ローンを借り入れしている場合に、どういった繰上返済の方法があるのでしょうか。それを知る前に、まずは繰上返済の基本的な性質を理解する必要があります。
繰上返済の方法は、大きく分けて2つのタイプがあります。
一つは、毎月の返済額を軽減することができる返済額軽減型で、もう一つは、返済期間を短くすることができる期間短縮型です。
返済額軽減型は、繰上返済することで毎月の返済額を軽減できるため、家計を安定させることができます。期間短縮型は、毎月の返済額は変わりませんが、返済期間が短くなり、返済額軽減型よりも利息軽減効果は大きいというメリットがあります。
ペアローンについてもう一度確認すること
安定的な収入が2人とも得られる共働き夫婦は、住宅ローンを借り入れする際にいくつかの選択肢があります。主だったものは、ペアローンと収入合算という2つの方法です。
ペアローンは、特に共働き世帯の多い現代において選ばれることの増えてきた方法の一つで、夫婦それぞれが個別の住宅ローンを借りるというものです。
単独で借り入れるよりも借入額を増額できたり、それぞれに住宅ローン控除が適用できるなどのメリットがあります。
詳しくは、「ペアローンと収入合算の違いをファイナンシャルプランナーが共働き夫婦向けに解説」でまとめています。
共働き夫婦がペアローンで繰上返済する2つの方法
住宅ローンをペアローンで借り入れしている共働き夫婦が、繰上返済をしようとした時には、2つの方法があります。
一つは、どちらかの住宅ローンを集中して繰上返済する方法です。繰上返済に使える原資として仮に100万円があった場合、借入額が少ない方に集中して100万円を繰上返済するイメージです。
もう一つは、それぞれの住宅ローンを平行して繰上返済していく方法です。同じく原資として100万円があった場合、それぞれ50万円ずつ繰上返済するイメージです。
収入合算で借り入れしている共働き夫婦の場合は、収入は一つですので、それを繰上返済していくことになります
ペアローンで繰上返済するときに考慮する3つのポイント
共働き夫婦がペアローンで繰上返済するときの2つの方法を説明しましたが、どの方法を取ればいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。考慮するべきポイントを3つまとめています。
家族のライフプランから方針を決める
夫婦や子供を取り巻く環境は常に変わっていくもので、特に現代では中年期の転職も珍しくなく、子供がいるご家庭では、成長にあわせて働く環境や時間を調整したいという要望も多いのではないでしょうか。
そういったときには、ペアローンでどちらか一方を優先的に繰上返済する方法を取ることで、最終的に一人は借り入れの負担が軽くなり、そのパートナーは別のことに取り組める可能性が高くなります。
例えば、時短勤務にして子供と一緒にいる時間を増やしたり、収入は下がるが本来やりたかった職業に転職するなど、環境を変えることに積極的になれるかもしれません。
将来目指したいライフプランと、住宅ローンの繰上返済をリンクさせて考えると良いと思います。
金利の高い方から繰上返済する
ペアローンでは、双方の借り入れ金利を比較し、支払利息が多く減る方法を取るという選択肢もあります。
夫婦で借り入れ金利が異なる場合や、住宅ローンにあわせて諸費用ローンを借りている場合などは、金利が高い借り入れを優先して繰上返済していくのが有効です。
その際に気をつけなければならないのが、繰上返済の事務手数料です。最近では繰上返済の事務手数料を無料としている金融機関は多いですが、もし事務手数料が有料だと、せっかく支払い利息を減らせても、その効果が少なくなってしまいます。
そのため、金利の高い借り入れを優先しつつも、事務手数料についても確認が必要です。
団体信用生命保険の保証期間と支払い利息の減少を比較検討する
ペアローンなどで繰上返済をするときには、金利だけを見て踏み切るのではなく、団体生命保険の保障期間も考慮にいれる必要があります。
一般的には住宅ローンと同時に、団体信用生命保険に入るケースが多いかと思います。借りた人に万が一の事故などがあった場合に、それ以降の住宅ローンの返済額を団体信用生命保険が肩代わりするものです。
団体信用生命保険の保険料は、住宅ローンの金利に含まれているため、新たな金銭的な負担なく生命保険に入っているようなもので、借り入れ期間が35年だった場合、35年間の生命保険に入っていることになります。
ペアローンで借り入れをしている場合は、それぞれが団体信用生命保険に入っていることになるので、どちらか一方を集中的に繰上返済していくパターンと、並行して繰上返済していくパターンいずれも保障期間のことを頭にいれて検討しましょう。

ペアローンの繰上返済で損をしないためには
ペアローンで住宅ローンを繰上返済していくのは、収入合算の場合よりも選択肢がある分、考えるべきポイントも複雑で、家庭の状況によっても大きく変わってくるかと思います。
パートナーが転職や進学、子育てによる勤務形態の変更などを検討している場合は、そのパートナーのローンを集中的に繰上返済していく方法がおすすめです。
一方で、生命保険の保障期間や毎月の返済額を気にしている場合は、繰上返済方法を期間短縮型ではなく返済額軽減型を選択するのがおすすめです。
ご家族で話し合った上で方針を決めていくのはもちろんですが、長期的な視点で考えたときに損をしないためには、取れる選択肢の中でシミュレーションした上で、その時の状況に応じて都度見直しをすることが重要です。
長沼アーキテクツでは、共働き夫婦の将来の返済計画を見込んだ住宅購入をご相談いただけます。ぜひお気軽にご相談ください。
将来の売却を想定した家づくりのポイント
自宅を建てる時から、それを手放すことは想定していないと思います。しかし例えばご主人の急な転勤や転職、両親の介護や子供の進学といった家族の事情など、将来に何があるか予測できないものです。
もし少しの備えで、将来に自宅を売却する際の準備になれば安心ではないでしょうか。
今回は将来に自宅を売却することを想定して、いま考えておくべきことを整理したいと思います。
なぜ自宅を手放すのか?
まず考えるべきは、自宅を手放す理由です。例えば遠くに住む家族と同居するためだったり、海外赴任するため、もしくは住宅ローンの返済が厳しいためなど、人それぞれの理由があるでしょう。
しかし自宅を売却するという方法以外にも、賃貸住宅として人に貸したり、リバースモーゲージという仕組みを使い住みながら自宅を担保にして融資を受けるなど、他の選択肢もあります。
手放したい理由によっては、売却以外の理由を取るほうが有利なケースもあります。まずはなぜ自宅を手放そうとしているのかを、整理しましょう。
住宅ローンの残債を確認する
ここからは自宅を売却することになったケースをもとに考えていきます。
多くの人が住宅ローンを使って自宅を購入していると思います。まず売却手続きの前に、現在の住宅ローンの残債を確認しましょう。
住宅ローンの残債額は、住宅ローン契約時に金融機関から受け取っている返済予定表やネットバンキングで分かります。
特に繰上げ返済をしている人は、最初の返済予定表とは異なる残債になっていますので、確認が必要です。
住宅ローンの清算と売却手続き
売却する自宅を新たに購入する人は、購入する土地と建物に所有権を登記します。
売却する人の住宅ローンによる残債があると、金融機関の抵当権が残ったままになり、購入する人が登記できません。
ですので、売買契約が成立するまで、もしくは売買の手続きと同時に、住宅ローンの残債を清算する必要があります。
ここで1つ注意点があります。例えば残債が1000万円だったとして、900万円でしか売れなかった時、残りの100万円は現金で金融機関に支払う必要があります。
そうなると、自宅を売却した上で、現金も使わなければならなくなり、新しい生活への資金を減らすことになります。
売却時点での住宅ローンの残債額と、売却額のバランスをよく考えることが必要です。

現金で補填しない方法は2つ
売却後の住宅ローン残債を現金で補填しなくてすむためには、何をすれば良いでしょうか。
方法は2つあり、住宅ローンの残債をなるべく早く減らしていく方法と、自宅の売却額を上げる方法があります。
繰上げ返済をして残債を早く減らす
住宅ローンを繰上げ返済することで、予定よりも金利負担を減らせたり、完済時期を早められるメリットがあります。
これには隠れたメリットがあり、残債を早く減らすということは、その時点の自宅の価値と住宅ローンの残債とのギャップを減らす、場合によっては価値のほうが上回ることが出来るのです。
自宅の価値を上げる
もう一つの方法は、自宅の価値を上げる、もしくは下がりにくくする方法です。
購入者にとって、価値が高い土地や建物であれば、高く買ってもらえる可能性が高まります。
土地の価値は、駅からの距離であったり、周辺の住環境に左右される部分があり、なかなか売却する人が改善できることは少ないかもしれません。
しかし建物は、建てる時点でしっかりと計画することで、価値を高める努力をすることか出来ます。
間取りや仕上げなどは、好みの違いもあるため、なかなか万人に受けるものを建てることは難しいかもしれません。しかし耐震性や断熱性などスペックについては、多くの人に訴求できるポイントです。
インターネットで中古住宅の情報を掲載するサイトにも、検索条件に、耐震性や長期優良住宅、フラット35適用などの選択肢があります。これらの条件で物件を絞り込んでいる人がいる、ということを表しています。
よって建物を建てる時に、耐震等級や長期優良住宅、フラット35の適用などの公的な証明を取得しておくことが、建物の価値を高める方法の一つでしょう。
長期優良住宅をフラット35で建てる
フラット35に面白いサービスがあります。「金利引き継ぎ特約付きフラット35」です。
これはフラット35で自宅を建てた人が、将来に売却する時に、最初に借りた金利そのままで、次の人がフラット35を借りることが出来る、というものです。
このメリットは、将来の売却時点で住宅ローン(フラット35も含む)の金利が現在より上がっていた場合に、他の物件を買うよりも低い金利で購入できることです。
例えば売却金額が3000万円の中古住宅を探した時に、その時点でのフラット35の金利が仮に2.0%だと毎月9.9万円の返済になります。
もし建てた時点でのフラット35の金利が1.35%で、それを引き継ぐと、毎月8.9万円の返済となり、毎月1万円も安くなるのです。
これを利用するためには、建てる時点で長期優良住宅の認定を取得しておく必要があります。フラット35で自宅をこれから建てようと考えている方は、長期優良住宅の取得を合わせて検討しても良いかもしれません。
※今後特約を付けるための条件が変わる可能性もあります。最新情報の確認をしましょう。
価値を維持できる建物を建てよう
少子化により家が余る時代がすでに来ています。その中でいかに価値を維持できるかという視点を、家を建てるときに持ちましょう。
価値を維持できる家=資産性の高い家は、将来の売却をするときにメリットがあります。それだけでなく売却前には、長期優良住宅などスペックの高い家に住むことができます。住んでよし売ってよしという2つのメリットを得ることが出来ます。
長沼アーキテクツでは、長期優良住宅を始め、資産性の高い住宅を計画しています。ぜひご相談下さい。
フリーランスが住宅ローンを借りる方法
ファイナンシャルプランナーで一級建築士の私は、フリーランスの方から住宅購入を相談されることがあります。いかに住宅ローンを借りるかが、常に出る話題です。
この記事では、フリーランスが住宅ローンを借りる方法を紹介します。
※ここで言う「フリーランス」とは、会社や団体に所属せずに仕事をする人を示しています。フリーランスは、開業届を税務署に提出している個人事業主に含まれます。

確定申告をしているフリーランスは住宅ローンを借りられる
以前に専門性の高い仕事をされていて、高額な収入を得ているフリーランスの方から、住宅購入について相談を受けたことがあります。
その方は今まで賃貸住宅に長く住まわれていたとのこと。その理由をお聞きすると「フリーランスなので住宅ローンを借りられないと思っていたため」ということでした。
この方は個人事業主として仕事をしており、確定申告も3年以上済んでいたので、それらを元に金融機関に住宅ローンの相談をしました。
その結果、借入額はこちらの希望通りにはなりませんでしたが、無事に住宅ローンを組めることが分かりました。
フリーランスが住宅ローンを借りる条件とは
フリーランスが住宅ローンを借りるための条件は、各金融機関によって異なりますが、大きなポイントとしては以下があります。
①安定した収入がある(売上ではなく所得、確定申告3年分など)
②クレジットカードや携帯電話の分割支払いなどで延滞がないか
③その他の借入がないか
その他にもチェックしている項目はあるでしょうが、いわゆる金融機関から見て返済能力があるか(社会的信用があるか)が大切なポイントになっていると思います。
パートナーと収入合算をして住宅ローンを借りる
もしフリーランスの方にパートナー(配偶者)がいらっしゃれば、パートナーと収入を合算して住宅ローンを申請する方法もあります(収入合算)。
パートナーが会社員の場合は、パートナーを主債務者として住宅ローンを借り、フリーランスご自身を連帯債務者として年収を加えて、住宅ローンの借入額を増やすことが出来ます。
この方法ならば、ご自身単独で借りる以上に、金融機関から見て貸しやすい状況となります。
パートナーとご自身で住宅ローンをいくつの割合で借りるか決めることになりますが、割合分だけそれぞれが住宅ローン控除を受けることも可能になります。
ただ収入合算をする場合にも、フリーランスご自身も金融機関からチェックされますので、上記に挙げたポイントが大切です。
フリーランスも住宅ローンを使って家を建てよう
住宅ローンを貸し出す金融機関から見た時に、サラリーマンに比べてフリーランスが厳しく見られるのは事実です。
いくら高収入のフリーランスでも、来年も同じだけ収入があるかは、サラリーマンに比べると確実性が少ないためです。
しかし金融機関が安心できる材料を用意することで、フリーランスが住宅ローンを借りることは可能です。
そういった条件を1つずつクリアーして、住宅ローンを使った家づくりにぜひ挑戦して下さい。
長沼アーキテクツでは、フリーランスの資金計画をサポートしています。ぜひご相談ください。
台形など変形地を購入して住宅を建てるときにメリットを受ける方法を土地の形状別に解説
三角形や台形など整形ではない土地(変形地)は、安く手に入る反面制約も多く、どんな住宅が建つのか不安で購入を躊躇されたり、避けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、変形地の成約は設計次第で克服できることが多く、整形の土地が持たないメリットを多く持っていることもあります。
この記事では、変形地を賢く活用する方法と、検討するべきポイントについて一級建築士の目線で解説しています。
- 変形地とは何か
- デメリット① 建物を計画しにくい
- デメリット② 整形地よりも土地の広さが必要なことがある
- メリット① 変形地に変形な建物を建てる
- メリット② 採光通風などの自然環境が良いことが多い
- メリット③ 土地の価格が整形地よりも安い
- どのような建物が建つか検討して購入しよう
変形地とは何か
変形地といっても様々な形があります。道路に二方向を囲まれた三角形や台形の土地や、路地状の土地で道路に接する旗竿地(他の記事で詳細は書きました)もあります。
このような土地は、もともと変形な区画であったケースもありますが、例えば新しく道路を敷設したために、結果として三角形が残ったなどのケースもあります。
変形地のデメリットは何か、考えていきます。
デメリット① 建物を計画しにくい
例えば三角形の土地に、四角形の建物を建てようとすると、建物の廻りには三角形の土地が余ることになります。
三角形の余分な土地を使おうとしても、自転車が置きにくかったり、屋外物置を置こうとしても寸法が足りないなど、やはり使いにくくなってしまします。
このように、三角形の土地に四角形の建物、という組み合わせは、無駄なスペースを生むことになり、あまり良い計画とは言えません。
デメリット② 整形地よりも土地の広さが必要なことがある
三角形などの変形地では、どうしても三角の角部分の土地を完全に使い切ることは出来ません。
建物を建てられる範囲が整形地に比べると限られるため、例えば延床30坪の建物を建てたい場合に、整形地ならば30坪の土地で十分に建てられるが、変形地だと35坪の土地でないとうまく建たない、という可能性もあります。
これは、詳細な間取りの検討をしてみないと分かりませんが、購入前にどの程度の建物が建つか、整形地よりもより慎重に検討しないと、購入後に希望していた大きさが建てられなかったということになりかねません。

メリット① 変形地に変形な建物を建てる
変形地にはデメリットがありますが、それを建物の計画でクリアー出来れば、整形地にはないメリットもあります。
まず建物の計画では、土地の形にそった建物の外形にする、という方法があります。
これはハウスメーカーなど間取りのモジュールが規格で固定されている住宅会社では対応出来ませんが、規格を定めていない建築家による設計や工務店などであれば、建てることが出来ます。
変形地に変形の建物を建てるメリットは、建物の廻りに変形なあまりを作らないことにあります。
変形地の斜めにそって建物を建てると、建物の廻りには整形に近い土地が残ります。それであれば、駐車スペースに使えたりと有効活用が出来ます。
その分、建物の内部に変形な箇所が生まれますが、例えば収納を斜めの部屋にして、寝室などの個室は、家具を置きやすいように四角形にする、などの間取りでの工夫をすることが出来ます。
メリット② 採光通風などの自然環境が良いことが多い
三角形などの変形地は、道路が交差する角にあることが多いです。(旗竿地は、ほぼ四方が建物に囲まれているので、こちらには該当しません)
土地の二面が道路に接していると、より光や風が入りやすい環境になります。角地を探している人は、変形地も候補に入れると良いかもしれません。
メリット③ 土地の価格が整形地よりも安い
整形地は建物を建てやすく、また建物の廻りも四角形などで使いやすいという分かりやすいメリットがあるため、購入を希望する人が多いです。そのため土地の価格はある程度の相場で保たれています。
一方、変形地は上に書いたようなデメリットがあるため、購入を躊躇する人も多く、それが土地の価格に反映されます。よって整形地の相場よりも安く購入できる可能性があります。
土地を安く購入できた分で、変形な建物を建てるための工事費に充当したり、家具や外構などを充実させることも出来るでしょう。
どのような建物が建つか検討して購入しよう
変形地には、整形地にはないデメリットがあることは確かです。しかしそのデメリットを土地の購入前に回避する、もしくはメリットに転換できることが分かれば、相場よりも安く土地を購入できるかもしれません。
そのためには、この土地にどのような建物が建つのか、詳細な検討を購入前に行うことが必要です。
土地のチラシなどを持って、さまざまな住宅会社や設計事務所に相談することをオススメします。
変形地に四角形のガタガタした間取りを提案する会社だったり、変形のままの建物を計画する会社もあるでしょう。
変形な土地を有効活用している計画はどれか、という視点で各社の提案を見比べて、信頼できる会社が見つかれば、変形地を購入する強い決め手になるはずです。
長沼アーキテクツでは、購入前の土地にどのような建物が建つか検討を行っています。ぜひご相談ください。
傾斜地を購入して住宅を建てるときに擁壁などの予算オーバーになりがちなポイントを解説
都内の山の手や横浜など、坂の多い地域には、崖の上に建つ住宅を見かけます。土地が階段状に整地され、傾斜地を有効活用しています。
傾斜地は前も後ろも崖に囲まれていたりと、平らな土地に比べると、ちょっと怖い印象があるかもしれません。しかし土地の目の前が崖であれば、その分眺めが良く採光も豊かであったり、メリットもあります。
今回は、敷地内もしくは隣地との高低差がある傾斜地を購入する際に気をつけるポイントを書いていきます。

傾斜地ケース① 傾斜地の一番上にある土地
傾斜地にも3つの種類があります。傾斜地の一番上にあるもの(丘の上のイメージ)、傾斜地の一番下にあるもの(谷底のようなイメージ)、傾斜地の中腹にあるもの(前後を傾斜地に囲まれているもの)です。
傾斜地の一番上にある土地は、光や風を遮るものがありません。そのため住環境としては安定している可能性が高いです。しかし注意点がないわけではありません。
土地の形状にもよりますが、その土地から下がる傾斜面までは上の敷地内に含まれていることが多いです。
その傾斜面の管理は、上の土地の所有者に責任がありますので、例えば大雨による傾斜面の崩壊など、下の土地へ不具合がないようにしなければなりません。そのため、傾斜面を保護する擁壁などの維持管理をしっかり行う必要があります。
また自治体によっては、傾斜地の上に建物を建てる場合には、万が一傾斜面の擁壁が崩壊しても建物が倒れないように、杭などを設置するように求められることがあります。
例えば下の土地との高低差が5mだった場合、5m以上の杭を打つ必要があり、建設コストのアップにつながります。
傾斜地ケース② 傾斜地の一番下にある土地
一方、傾斜地の一番下にある土地は、その土地自体が傾斜面を持っていないため、上に書いたような傾斜面の崩壊などの危険性はありません。しかし上の土地の傾斜面が崩壊する危険性はあります。
このような土地を購入しようとする場合には、まずは上の土地の傾斜面の状態をよく確認する必要があります。
擁壁は作られた時期やその高さにより、工事の許可を得るための確認申請を提出している可能性があります。市役所に行き、擁壁の確認申請の記録が残っていれば、工事した当時の安全性は証明されていると言えます。
しかし工事当時はしっかりしていても、年月が経ち維持管理が不足していると、状態が良くない可能性もあります。これについては、土地を仲介する不動産会社に擁壁の安全性の確認をお願いしましょう。擁壁のチェックを建築士などに依頼してもらえるはずです。
傾斜地ケース③ 傾斜地の中腹にある土地
3つ目の種類は、傾斜地の中腹にある土地です。これは上で書いた、一番上にある土地と一番下にある土地の注意点が同時にかかってきます。
その土地の持つ傾斜面の管理状態をしっかりと確認し、下の土地へ危険性がないようにしつつも、上の土地が崩壊しないか状態を確認する必要があります。
3つの傾斜地に共通する注意点
傾斜地の種類に共通する注意点としては、やはり傾斜地を保護する擁壁の状態です。
数十年前に作られたと思われる擁壁を、完全に安全とは言い切れないと思います。一方で擁壁を作り変えるには、大変なコストがかかります。
土地を購入する前に出来ることは、擁壁の状態を確認しそのリスクを理解した上で、その土地を評価することです。
その他で共通する注意点は、大雨や地震などの自然災害時のリスクです。
大雨が降ると傾斜地全体が川のようになる可能性があり、敷地内に侵入した水による浸水や、大雨により地盤がゆるむことによる傾斜地の崩壊、地震により弱っていた擁壁の崩壊などが考えられます。
自然災害すべてを避けることはできませんが、例えば市役所で配布しているハザードマップを確認したり、過去に同じような災害がなかったか聞いてみると良いでしょう。
傾斜地だからこそのメリットを活かした建物計画
これまで傾斜地を購入する際の注意点を見てきました。平坦な土地にはないリスクはありますが、それだけではありません。傾斜地ならではのメリットもあります。
例えば横浜や神戸などの住宅地を電車から見ると、多くの建物にまんべんなく日光が当たっていることが分かります。
都市部など隣家に囲まれた土地に建物を建てる場合、開けている道路側からだけしか日光が望めないことがあります。それが傾斜地では、敷地ごとに高低差があるため、それぞれの採光が豊かになるというメリットがあります。
また傾斜地の先端に建つ建物からは、開放的な眺望を得ることができます。目の前に隣家が建っていないため、眺めを邪魔するものはありません。
このように傾斜地にはリスクだけではなく、メリットもあります。
リスクをしっかりと理解した上で、採光や通風、眺望などのメリットを最大限に活かした建物計画を行いましょう。
そのためにも、傾斜地を購入する際には、ここに建てられる建物のイメージを共有できるパートナー(不動産会社の担当者や建築士など)と一緒に現地を見ることをオススメします。
長沼アーキテクツでは、購入前の土地の調査も行っています。ぜひご相談ください。
デザイン好きな経営者のための建築家による役員社宅
経営者の中には、会社が用意した社宅に住んでいる方もいると思います。賃貸住宅や会社所有の住宅など、その形は様々ですが、会社の経費で一定額を落とす仕組みは、以前より行われていることでしょう。
しかしデザインが好きでこだわりたい経営者は、ありきたりな社宅では満足できないと思います。そんな経営者が、社宅の計画を建築家に依頼する方法とメリットを考えていきます。

なぜ社宅を建築家に依頼するか
賃貸住宅を社宅にする場合は、仕上げや設備などを自分の好みに改修することは、一般的には難しいと思います。まれに自費負担で改修するならば現状復旧しなくても良いという物件もありますが、よほど古い物件か、理解のある所有者でしょう。
ここでは会社が所有する社宅を、建築家に依頼するケースで考えていきます。
社宅を新たに建てる、もしくはすでにある社宅を改修する時には、その工事をどこに依頼するでしょうか?思いつくのは、ハウスメーカーや建設会社、工務店などでしょう。
自宅を建てるときと同じように、ハウスメーカーなどの企画された住宅では満足できない経営者には、建築家に依頼するという選択肢をご提案します。
社宅の税制面のメリット
会社で社宅を用意することの、税制面でのメリットをおさらいしてみます。
まず会社が社宅を用意します。会社が借主となり賃貸住宅を契約するか、土地建物もしくは区分所有のマンションなど不動産を会社が購入します。
そしてそれらを従業員や会社役員、経営者に、社宅として貸し出します。
例えば10万円の賃料の賃貸住宅を会社で契約していた場合、10万円は会社の経費にすることができます。
一方、その住宅を会社が経営者に貸したとします。一般的には0円で貸し出すと、会社がその分を給与の代わりに支給したとみなされ、本来の賃料を個人の所得とみなされることがあります。
そこで賃料の10-20%で会社が個人に貸して、個人から例えば2万円の賃料を取ることで、無償で与えていないために、10-2=8万円を会社の経費として認められます。
借りた会社経営者など個人は、本来10万円の住宅を2万円で借りられたことになるので、やはりメリットがあります。
これは会社が所有している不動産でも同様です。不動産を例えば事業融資で購入している場合、毎月の返済額に加えて、管理費や固定資産税などの諸経費が、会社の経費となります。そこから個人への賃料がマイナスされた金額が、経費として認められます。
※税制については必ず税理士にご相談下さい。
社宅の計画を建築家に依頼するメリット
会社契約の賃貸住宅だけでなく、会社所有の不動産を社宅にすることでも、税制上のメリットがあることが分かりました。では、会社所有の社宅の計画を、建築家に依頼するメリットは何でしょうか。
一番のメリットは、オーダーメイドされた社宅を計画できることです。注文住宅ならぬ注文社宅でしょうか。単にカッコいいというだけでなく、ハウスメーカーが定めた標準品ではなく、仕上げや設備なども最適なものを選ぶことができます。
現時点では社宅として計画しておき、将来に経営者個人が会社から買い取る想定して計画しておくことや、第三者への売却や賃貸など、様々なシミュレーションをした上で、計画することができます。
まったく同じ事情の会社や経営者はいないのですから、その都度最適な計画を検討して形にしていくためには、建築家をパートナーとして選ぶことは有効ではないでしょうか。
最適なデザインをされた社宅を建てよう
会社が賃貸住宅もしくは所有不動産による社宅を、経営者や役員、従業員に用意することは、メリットがあります。
その社宅を建てる場合の選択肢として、建築家があることも分かりました。なぜ建築家に依頼するのか。
それは単にカッコいいデザインを期待するだけでなく、様々な事情に最適な解決策を一緒に考えるパートナーとして採用すると良いでしょう。
快適な社宅を建て、そこに住む人の生活を豊かにすることで、仕事への意欲を高める、そんな社宅を計画してはいかがでしょうか?
長沼アーキテクツでは、社宅や賃貸住宅の計画を、デザインだけでなく資金面からも行っています。ぜひご相談ください。

